Tracy GはDIOの重さを、初期の「大きく歌い上げるメタルの重厚さ」から、ギターのリフそのものが前に出る、ざらついたモダンなヘヴィネスへ移した。切れ味のいいメロディや華麗なソロより、重く押しつけるリフと暗くインダストリアルな質感を軸にして、90年代のDIOだと一聴でわかる別の輪郭を作ったんだ。
ただし、ロニーの伝統的な歌と曲作りにその音がすんなり溶けたわけではない。Tracy自身、当時のDIOの方向性に距離を感じていたことを語っており、彼のギターは刷新であると同時に、バンド内の美学のずれも露わにした。日本の誌面でも『STRANGE HIGHWAYS』『ANGRY MACHINES』は旧来のファンには受け入れにくい作品として語られ、ライヴでも新曲より定番曲に反応が集まる場面が記されている。
次に聴くなら
回答の根拠 3件
参照資料
- BURRN! 1996年10月号・新作の音作りと旧作との距離を語る
- BURRN! 1996年2月号 p.117・Tracy G自身の音楽観と前作への見方
- BURRN! 1997年8月号・日本の旧来ファンの受け止めと来日前の期待感
確度: 高
注意点
音の変化は誌面のインタビューや評者の受け止めをもとに整理したもの。Tracy G期を好むかどうかは、DIOに何を求めるかで評価が分かれる。