VANDENBERGは、ギタリストのAdrian Vandenbergを中心に1982年に始動したオランダの正統派ハード・ロック・バンドです。デビュー曲“Burning Heart”のヒットで英欧だけでなく日本でも知られる存在となり、初期3作で哀愁のあるメロディ、力強いリフ、歌を引き立てるギターを確立しました。AdrianのWHITESNAKE加入によって1980年代半ばに活動を停止しましたが、2020年に新編成で復活。復活作『2020』は懐古的な再現ではなく、Ronnie Romeroの強い歌唱と現代的な音像で王道HRを再構成した作品として評価されています。
PERIOD CONTEXT当時の文脈
初期VANDENBERGの位置づけは、派手な技巧だけを売りにするギター・バンドというより、Adrianのソングライティングと哀感のある旋律を核にした欧州型ハード・ロックにあります。1982年の『VANDENBERG』、1983年の『HEADING FOR A STORM』、1985年の『ALIBI』へ進みましたが、AdrianがWHITESNAKEに加わったことでバンドは長期停止しました。この経歴のため、VANDENBERGは単独の作品群と同時に、WHITESNAKEへつながるギタリストの出発点として日本のHRファンに受け止められました。 2020年の復活では、Adrianは過去の音色をそのまま再現するより、クラシックHRの作曲感を現代的な録音で鳴らす方向を選択しました。『2020』は正統派・エピック寄りの力強さを持ち、Ronnie Romeroのハスキーで押し出しの強い声が推進力になっています。一方、その声の存在感が強いため、初期VANDENBERG特有の繊細な哀愁やAdrianの個性をもっと求める聴き手には、往年の再現とは違って聞こえます。BURRN!のレビュー評価が80、84、84、94点に分かれたことも、復活作としての充実と、旧来のイメージとの距離が同時に意識された結果といえるでしょう。 日本との関係では、初期の“Burning Heart”による知名度に加え、Adrian本人が日本のファンの誠実な評価を強く意識していた点が重要です。日本盤や旧曲の再提示も含め、VANDENBERGは一過性の輸入HRではなく、1980年代の欧州ハード・ロックを記憶する日本のリスナーとの結びつきを持つバンドでした。まず聴くなら、初期の『VANDENBERG』で旋律性を、次に『2020』で復活後の現在形を比べるのが最も分かりやすいです。